奥州の山賊





「あんたとは、もう会えねぇ…」



「何故だっ!互いに愛を確かめ合ったであろう!愛し合う者たちは結ばれてはいけないと申すのか……!」





「そうじゃねぇっ!………そういうわけじゃないんだ」




「ならば、何故だ!」



「…………」





ひすいは何も言えなかった。



もし、政宗に迷惑がかかるのを避けるためだと言ったとしても、彼はそれでも構わないと優しく手を伸ばしてくれるだろう。



そんな言葉をかけられたとき、自分はその手を繋いでしまうかもしれない。



自分の気持ちに気づいてしまった以上、いつの間にか政宗に甘えてしまうこともあり得る。




何度も言うようだが、それは天下を取らんとする政宗にとって足枷になる。





あってはならない――――



それをひすいは身に染みて考えていた。





「お前もまた、いなくなってしまうのか……。やはり、俺の傍にいるのは重荷になるのか」



政宗は呟くように言った。



その言葉にひすいは胸を抉られる気分になる。



『もまた』というのは、別の彼の大切な人がした行為と同じであるのだ。


政宗にはそうにはならないと宣言したばかりなのに、今彼から離れようとしている。




「あんたの、ためなんだよ……」



「俺のためだと…?ならば、俺の隣にいる方がずっと幸せだ」