政宗とは悠と関わらせない。
あれと関わればきっと政宗は天下から遠退いてしまうだろう。
それは、自分が彼の足を引っ張っていることになる。
それは、自分の自負心が許さない…―――――
悠は二人の会話に痺れを切らしたのか、口を挟んできた。
「そろそろいいかい?君の暗示も解けてしまったからね。もういいよ、強制的に連れていくのは諦めよう」
そして、人差し指を立ててそれを前に出す。
「ただし、君は決めるんだ。奥州の大名をとるか、かわいい子分どもをとるか…」
「なにっ……!?」
ひすいの驚愕した姿に笑みをこぼして悠は続けた。
「僕は君の名と居場所を知るために二人ほど<鷹>の人を借りたよ。その彼らを今人質に捕ろうってわけ」
これには悠本人が赴いた。
確かに、悠の権力があればたとえ信用されていない者にでも命令することはできる。
しかし、悠自身は自らの手で行いたかった。
「そうだなぁ……。たしか、豆吉と言ったっけ?その内の一人が」
「ま、豆吉だって……?!」
ひすいは目を見開いた。
彼女が驚くのも無理はない。
豆吉という男はいわゆる、二番手の強者であった。
名前からは考えにくい力を兼ね備えていて、また強靭な脚力の持ち主でもある。
そんな男が捕まってしまった。
やはり、目の前で微笑む男は侮れない者なのだ。


