奥州の山賊






「……こんな城下を創った大名はすごいんだろうな、って思ってた」




政宗の愛が受け入れられなかったのではなく、彼女はこの奥州を治める政宗がいなくなることを恐れていた。





「あんたに会ったあの時、……本当は嬉しかったんだ。あんなに人が笑って過ごせる土地を創ったのはこの人なんだって………」





ひすいは目を細め、政宗を愛おしそうに見つめた。






「そう思えば、俺は……。あんたを見た時から好きだったんだろうな……。―――――…兄みたいだった小十郎さんに胸を高鳴らせていたから、肝心な気持ちに気づかなかったんだ………」





「ひすい……」





「だからこそ、なんだよ……政宗さん。あんたが奥州を捨てちゃなんねぇ。…………いつか、言ってたろ?天下を、取るって………」




不安そうに見る政宗の姿にふっとひすいは笑う。





「俺は、…―――――だからっ!あんたと一緒には………!」





――――――おかしい




最後だから政宗さんを目に焼き付けようとしてるのに、何かが溢れて焦点が定まらない。









ひすいは悠がここに来た時点で怯えながらもひとつの決断をしていた。