奥州の山賊





「『ひすい』、おいで。君は僕の隣にいることこそ、もっとも相応しいのだから」



「行くな、ひすいっ!」




悠の暗示の言葉を遮るように我に返った政宗が叫んだ。


ひすいは一歩立ち止まるが、振り返りはしない。




「………お前は俺のものだと、お前が言っただろう?」




「…………」




「俺の傍にいたいと、そう言ってくれただろう?」




暗示のかかったひすいに向けて、政宗は語りかけるように言葉を紡いだ。




一度は心を通わせた身――――




まだひすいに一滴でも自分への思いが残っていれば、それは不可能というわけではない。





「俺も、お前と共にありたい…!この身分なぞ、お前のためなら捨ててもよい!」




お前を初めて見た時から共にありたいと、そう願っていた。




お前と、梵天丸と、俺で……



小十郎も追ってこれないような田舎に住み、田畑を耕し、寝食することを毎晩のように夢見た。




お前に愛されたいと、あのように可愛がる梵天丸に嫉妬した程だ。





「お前を、愛している…………!」