囁いた声が首筋をかすめ、妙にくすぐったい。
「俺は、あんたを好きになっちまったんかな?」
未だ理解できないその心をひすいは何気なく呟いた。
「……………俺は、政宗さんの傍にいたい」
「……」
「あんたの、ものになりたい……!」
そう言い終わらないうちに政宗はひすいを回転させ、目と目が合うように立たせた。
「もうよい…」
そして、ひすいの頭を撫でる。
いつかと同じ優しい笑顔が、大きな手の先に見える。
「お前と同じ想いなら、もう語らずともわかる」
撫でていた手を頭の後ろへやり、一方の手をひすいの肩にのせる。
「目を閉じろ…、ひすい」
呼びかけられて、ひすいは何も言わずに目を閉じた。
間近に迫ってくる気配に心の臓が高く鳴り響いているのがわかる。
次には唇がひすいのそれと繋がっていて、包み込むように甘い口付けだった。
何もかもをこの人で満たしたいと願うことにもう迷いはなかった。
全てこれは愛の感情だったのだ。