美沙子は、イライラしていた。

「私が使ってたのは、歯が白くなる高いやつだよ。」

「お前なあ、だいたい1日3回も、磨くなよ。もったいないだろう。それに、水も出しっ放しじゃないか。」

「あんたは、2日に1度しか磨いてないでしょ。だから息が臭いのよ。」

「うるせえなあ。少しでも、長くここに居たいだろ。」

「うるせえ?今まで明夫は、そんな言い方しなかったじゃない。」

美沙子は、泣き出した。俺は、謝りながらも納得がいかなかった。

次に揉めたのは、2週間過ぎたあたりだった。きっかけは、生理用品がない事から始まった。どうやらここは、1人用で男性用のシェルターらしかった。

俺は、うんざりしながら、トイレぺーパーパーでも使えよと投げやりに言ってしまった。