「先生から事情聞いたのも…全部、俺の意思だよ」 「なん…で」 「屋上で、ずっと見かけてて。1年後輩にはさせたくなかったんだよ…文句あるかよっ」 びっくりした。まさかそんな、ずっと前から知ってくれてたなんて。 「な、ないよっ!」 あたしは持っていた最後のキャラメルを霧野くんに差し出す。すると目を細めて、口に入れてくれた。 「無事、進級できそうです。…てか霧野くんなんで後輩にしたくな―」 言いかけたところで、霧野くんはあたしの顔に近づいてきた。 「言わなきゃわかんねえのかよ」 「ッ!」