もし、あれが霧野くんの厚意だったら…ううん、そう思っていたから頑張れて、嬉しかったのに 「霧野くん……」 あたしはため息をついてから、さっき作ったばかりのキャラメルを食べる。 甘い香りがふんわりと鼻をくすぐり、…美味しいのに。 「なんか…苦いよ……」 西の空には、もう夕日が傾いていた。