【完】禁断の恋

休み時間、俺は美海の教室へ足を運んだ。
ガラッと開けたドア。
目の前には、クラスのみんなと打ち解け、楽しそうに話をしている美海の姿。
「美海って、ホント背ぇ低いよな(笑)」
「ちょ、コバ!それ気にしてるんだから!」
「てか、美海は背が低いから可愛いのよ!」
「樹里、それ、けなしてる?褒めてる?」
「褒めてる褒めてる♪ね、ミヤ」
「あ~褒めてんじゃん?」
「ちょ、ミヤ適当すぎっ」
みんな呼び捨てやあだ名で呼びあっている…。
ここには、俺の知らない美海がいる…?
楽しそうに話している美海から、目が離せない…。
入り込めない…。
胸が、チクンと痛む…。
なぁ、美海。
気付いてくれよ…。
俺は、ここにいるよ…?
俯いていると…

「お兄ちゃん!」

可愛い声が、聞こえて…。
『美、海』
「辞書だよね?ホントにありがとう♪」