次の日、あたしは美術室へ。
あれ?鍵空いてる…。
もう先生来てるのかな?
ガラッとあたしはドアを開けた。
そこでみた光景は……
「………ぇ…?」
なに…コレ。
あたしの、作品が……
ボロボロにされていた。
ナイフで切り刻まれていた…。
そして、黒マジックで“ハルくんに近づくな”そう書かれてた。
これも、先生のファンの仕業?
どうして…?
「な、んで。ど、して…っ…」
その時、コンコンと音がした。
あ、先生が来る…。
ダメ、こんなの、見られたくない…。
あたしは急いで鍵を閉めた。
『?吉池!いれてくれよ』
「も、もう少しで、完成なので!」
あたしはドアにもたれかかり、座った。
『完成するとこ、見たい』
「か、完成するまで立ち入り禁止です!か、完成したら一番に先生に見せますから!」
『……』
早く、行ってよ…。
「っ…ヒッ……っ」
『お前、泣いてんのか?』
「ち、違います!しゃっくり!止まらなくて…」
『そ。分ったよ』
遠くなっていく足音。
あたしはゆっくり立ち上がり、絵に近づいた。
涙が、とめどなく溢れた。
止まれ、止まれ、止まれ!