美海との恋が終わり、俺はいつの間にか大学生になっていた。
大学は家から遠く、電車を使っていた。

「拓海~」
朝からハイテンションなコイツは、大学でできた友達の宙<ソラ>。
「合コン行こうぜ♪」
『やだ』
「ちぇっ!お前、いつも断るよな。彼女、いねぇんだろ?」
『いねぇよ』
「じゃぁ『でも嫌だ』
「ケチッ」
なんとでも言え!

帰りの電車…。
混んでるな…。
ん?
誰か俺のシャツ掴んでる…?
俺の隣にいる子。
高校生くらいか?
俺のシャツの裾をギュゥゥと力強く、震えた手で掴んでいる。