【完】禁断の恋

「拓海。ちょっと来なさい」
夜中、母さんと父さんにリビングに呼ばれた。
俺、なんかしたっけ?
「お前、美海と…なにかあるのか?」
『何かって…?』
「もしかして…好きあってるんじゃ…」
『な、何言ってんだよ。俺ら、兄妹だぜ?』
「じゃぁ、これはなんだ…」
俺は1枚の写真を見せられた。
『ッ!!』
公園でキスをしている写真。
「前に、お母さん見ちゃったの。初めは、目に入ったゴミでも取ってるのかと思ったのよ?でも…毎日…ッ」
『ッ―。俺は、美海が好きだよ』
「お前たちは兄妹なんだぞ!?分ってるのか?」
『大声出すなよ…。美海が起きるだろ?……俺は、美海が好きだ。愛してる』
「どうして…どうしてなのよ…拓海ぃ」
『俺だって、どうして好きになったのか…分んねぇよ…。でも、もう止められなかった』
「別れなさい」
『なっ!?俺たちは…愛し合ってるのに!』
「世間が、認めないだろう!!??」
“世間”
そんな言葉で、片づけるのかよ…。
「頼む…分ってくれ、拓海」
「お願いよ、拓海…」
『ッ…日曜まで、待ってくれ。日曜までは…』
「分った」
日曜が、タイムリミット。
今、0時を回った。
俺たちのタイムリミットは、あと1日。
俺は、部屋で…泣いた。