【完】禁断の恋

side拓海


学校の帰り道。
「ねぇ、お兄ちゃん。ちょっと公園寄って行かない?」
突然美海が言った。
『?いいよ』
そういうとニコッとほほ笑む美海。
あぁ、まだ…好きだ。
「この公園、懐かしいね」
『よく遊んだよな』
「うん!怖い犬に追いかけられてたら、お兄ちゃんが助けてくれたり、転んだらおんぶして帰ってくれたり…」
『あったな、そんなこと…』
「美海ね、お兄ちゃんのこと、好きだけど、これは兄妹としてだと思った」
兄妹、か…。
そりゃそうだよな…。
「でもね?違った!」
『え?』
「美海ね、昨日ずっと考えたの。そしたら、頭に浮かんだのは、全部お兄ちゃんとの思い出だった。美海ね、認めるのが怖かったんだと思うの。いけないことをしてるから…。自分の想いに鍵かけてた。でも、やめた!お兄ちゃん、美海は、お兄ちゃんのことが…1人の男の人として、好きだよ」
『嘘…だろ?』
「ホントに、大好き」
『キス…していい?』
「ん」
いけない恋だとしても…俺は、俺たちは…この想いを止めることはできない。
俺たちは、キスをした…。
俺たちは…
もう、戻れない。