【完】禁断の恋

ポゥと光に包まれた。

『美海!あそぼ』
「うん!」
これは…小さいときの美海の記憶?


『美海、チョコありがとな』
初めての手作りのチョコ。
失敗したのに、お兄ちゃんは笑顔で食べてくれた…。

『美海、悩みごと?』
男の子にからかわれて悩んでいた時、お兄ちゃんが美海を守ってくれた…。

『美海、泣くな。笑えッ』
美海が泣くと、いつも笑わせてくれた…。

『美海、勉強手伝うよ』
唯一苦手な英語。
必死に教えてくれたな…。

『美海、合格おめでとう』
一番喜んでくれたのは、お兄ちゃんだった。

『美海、制服似合うよ』
お兄ちゃんはいつも美海が求めている言葉をくれた。

『美海、告白されたんだ…。どうしたらいいかな?』
この時は、どうしてかショックだったな…。

『美海!』
『み~う!』
お兄ちゃんの笑顔が、大好きだった。

『美海』
お兄ちゃんの全てが、大好きだった。
この気持ちは、きっと……
恋だ。
ずっと、閉じ込めていた。
この恋は、いけないから。
自分が悪者になるのが、怖かった。
心に、鍵をかけていた。
何重にも、強く、強く…。
でも、それは…解き放たれた。
美海は……

―――――……

目が覚めた時は、朝だった。
「美海、お兄ちゃんが…好きだ」
今すぐにでも、伝えたい。
この、気持ちを。