俺、佐伯拓海<サエキタクミ>。
俺は朝起きたあと、いつも向かう場所がある。
それは…
隣の部屋。
俺は一応ノックする。
もちろん反応はない。

ガチャッ

白とピンクでまとめられた女の子らしい部屋。

『―…美海、起きろ』
「ん―…。お兄ちゃん、おはよ~」
『はよ。着替えて下りてこいよ。入学早々遅刻する気か?』
「遅刻は嫌!着替えるね!」
俺は部屋を出た。
佐伯美海<サエキミウ>。

俺の妹であり、
俺の好きな子…。

好きになってはいけない相手だって、分かってる。
叶わないって、分かってる。

でも、それでも俺は――

美海が好きなんだ…。