「あー大丈夫、大丈夫。 たぶん彼はそんな深読みするようなタイプやないと思うし。 彼氏に逃がした魚はでかかったぞって思い知らせることができたらそれで成功ってことで」 石橋さんは手を振って笑いながら答える。 「あ、もう20時過ぎか…」 公園の中央にある大きな時計を見て石橋さんは言う。 少しして人影が見えた。 たぶん、 コウセイだろう。 「じゃ、いってきます」 アタシはふたりにそう言ってその人影のほうへと向かう。 ふたりがついてるんだもん。 大丈夫。 ちゃんとお別れしてこよう。