だって、夢が現実になって、それを避けることができないんだから。


これを運命だなんて、割り切ることが出来ない。


もし運命ならば、12月25日のクリスマスに……――。




「……――純恋。そろそろ出るか?」


「あっ、うん。そうだね」


トレイを片手に立ちあがる優輝の大きな背中を見つめながら、



『あの夢だけは……絶対に現実にならないで』


あたしは心の底からそう願った。