「少しだけ時間いい?懐かしくてちょっと話したいなぁって思って。」
松浦君の提案に、急いで帰るはずだった私は、気が付いたら頷いてしまっていた。
近くにある公園に向かう私たち。
途中にある自販機で、松浦君がホットココアを買ってくれた。
「今日は仕事の帰り?」
「うん、残業で終電になっちゃって。松浦君も仕事上がり?」
「そうそう、取引先で問題があってさ、終わったらこの時間だよ。」
公園のベンチに腰をかけ、いただきますと言い缶を開けた。
「あったかい…」
「椎名さん、変わったね。」
「え?」
「明るくなった。」
「あはは、私あの頃何も言えなかったもんね。松浦君も気をつかってくれて…色々助けてくれてありがとう。」
クラスの女の子の言われるがまま、だった私。
よく松浦君が助けてくれていた。
そんな松浦君にすら、おはようしか言えなかった私だったのに、こんなにスラスラと話せるなんて。

