彼女が手を伸ばした先。


そこには紛れもなく


『異様な光を放つ本』が存在している。




「え…?」


それってもしかして…?
そんなことを思うよりも前に、脚立が不安定に揺れた。



「危ないっ!」

「えっ!?」



光る本に彼女が触れたその瞬間。


脚立から彼女が落ちそうになるのを目にした俺は


何も考えず、ただ反射的に身体が動いた。