* * * * *



ズキズキと頭が痛む。
その痛みで目が覚める。


ゆっくりと目を開くと、室内なのにあり得ないほどの太陽光が差し込んでくる。
…おかしくないか?
だって夕方過ぎてんのにこんなに光が…?


視界に飛び込んでくる、凄まじい光の量。
眩しくてよく目が開けられなくて、身体をよじった。


「…目、覚めました?」

「え…?」


俺の左にちょこんと座る、女の子が目に入る。
だんだん光に慣れてきた。


「小澤さん、ですよね?」

「え…なんで名前…。」

「私が本を借りる時、小澤さんが受付にいることが多いので覚えました。」


俺は身体をゆっくりと起こした。
彼女の後ろに広がる景色に言葉を失う。


「…っ…。」

「驚きますよね。さっきまで図書館にいたはずなのに。」

「なっ…ここ…えっ?」


そうだ。確かにさっきまで図書館にいたはずなんだ。
少なくとも脚立から落ちそうになった彼女を抱きとめるまでは確実に。


それなのに…