僕等は野良猫





庵は僕を


抱き上げると


肩に乗せた



「カラスに襲われたのが、結構きたみたいだ」


「‥逃げたって事?」


「あぁ」



庵はそう言うと


僕の口に


人差し指を当てた



たぶん、


喋るなって事だね



「庵」



聞き覚えのある声が


庵の名を呼んだ



…玖音だ



「なに?」


「いや‥、猫は置いていった方がいいんじゃないか?」


「あー…、音は大丈夫」



庵の言葉に


玖音が何かを言おうとした時


リオンが玖音の腕を


ガシッと掴んだ



「音なら大丈夫だと思うよ、玖音」



リオンは


ニコッと笑った