それによると、内側側靭帯の方は、
ヒドい捻挫と同じで、ギブスで固定して、
安静にしていれば、引っ付けることが出来る
しかし、十字靭帯は、つける事が出来ない。
梨沙の場合、断裂はしなかったが、
半分以上切れていた。
そのまま温存しても、日常生活は、
支障なく送ることが出来る。
しかし、激しい運動は、出来ない。
手術すれば、運動もできるが、
完治するまでには、時間がかかる。
その後の、落ちた筋肉を元に戻すことや、
恐怖心の克服などを考えれば、
最後のインターハイ予選に
間に合わせるのは、難しいのではないか、
ということだった。
「まっ、インターハイまで行けば、
別だがな」
すると、梨沙が
「私ら、インターハイに行きますよ」
「ハハハ、そうか。
そりゃそりゃ、頑張れな」
「あー、先生、信じてない」
「そんなこと、ないぞ。
ちゃんと、信じてるぞ」
「先生、目が笑ってる」
「おっ、バレたか」
「ハハハハハハ」
皆、笑い合ったが、
友理だけは、笑ってなかった。

