毎日のようにくっつかれ、キスをされ続けたら、わたしまで彼に夢中になってしまった。

あんなに近寄らないようにしていたのに…。

近寄れば、ファンのコ達と同じように、夢中になってしまうことが分かっていたから。

「うん、それなら良い。ウソついたら…分かるよね?」

彼の目に、危険な光が宿る。

「うっうん」

「いっつも引っ付いているんだから、キミに何かあったらすぐ気付くから」

「だから無いって! こっこれだけくっつかれたら、近付く人なんていないから!」

すでに全校生徒&先生達の間では、話が広まっている。

「そりゃあ良かった。周囲に見せつけてたかいがあった」

ううっ…! やっぱり性格が悪い。

「ねぇ、たまにはキミからキスしてよ?」

「うっ…」

けれど潔癖症の彼が、わたしにだけ触れてくれるのなら…。

わたしは背伸びをして、彼にキスをした。

思いと誓いを込めた、キスを―。