ラブ★シックネス




『…っ離してよ!』



アイツの返事を聞く前に、勢い任せにアイツの手を跳ねのけた。


かすかにアイツの余韻が残りつつも、冷たい風に覆われる手のひら。

なんだか無性に泣きたくなる。



『…見ないで。』



あぁ、あたし、今、凄く泣きそうな顔してる。


アイツに泣き顔なんて、見られたくないのに。

アイツの前で泣きたくなんか、ないのに。



鼻の奥がツンとなって、今にも涙が零れ落ちそうなの。