そういうこと? 先輩が外せない用事って、あたし以外の女の人と遊ぶことだったわけ? あぁ、もう。 先輩はそんな人だって、周りからは言われてたし、そんなのわかってたのに。 なんでこんなにも、実際に目の当たりにすると心が痛むんだろう。 『なにしてるんですか…。』 一言一言を絞り出すように、必死に言葉を紡いでいた。 そのあたしの声で我に返ったのか、今更ながら女の人と繋いだ手を離す先輩。 今更そんなことをしたって遅い。