「…みぃちゃん?」 あたしの指先と表情がフリーズしたのに、アイツが気づいて。 少しだけ驚いた素振りを見せてから、あたしに焦ったように近づいてくる。 こういう風に心配してくれたりして、アイツはなんだかんだで優しいから。 本当は、アイツのこと、嫌いじゃない。…本当は。 『…ねぇ。』 「……うん。」 『先輩、明日用事が入ったから、デート出来ないんだって。』 「……。」 本当、なんでこんなにもタイミングが良すぎるんだ。