愛なんてものは、いつだって不安定で。 ごく僅かな、形の見えないものに支えられているんだと思う。 『…せんぱい?』 だからこそ、愛って儚い。 一瞬でもバランスを崩したら、元には戻れないぐらい、粉々になってしまう。 それでもあたしは失いたくなくて。 あたしはあたしなりに、失わないように取り繕ってきた。 ―…はずだったのに。 『……っ。』 一体、なんで。 その姿はかき消されていくように、渦の中に消えて行ってしまう。