虫の声がうるさい、夕方だった。 アイツがゆっくりと穏やかに、口先だけあげて微笑んで。 外見だけはいいから、バックの夕日が映えてみえる。 「…じゃあ、またね。みぃちゃん。」 ―…そう言って、アイツの大きい手のひらが、サラリとあたしの髪に触れた。 ポン、って。 一瞬だけ。 少しドキッとしたけれど、慌ててその手を振り払う。 『ちょ、何触ってんのよ…!』 きしょいことしないでよ。 キュン、とか。 あたしたちの関係で、そんなロマンチックな効果音皆無だから。