優しそうな、笑顔だった。 その微笑みであたしを包み込んでくれるような、“トクベツ”な笑顔。 「みぃちゃん、目を閉じて?」 ―…それは、お別れの合図。 言われた通りに、素直に目を閉じて。 しばらく経った後に、一瞬だけ降りてきた、触れるだけの、キス。 「――すぐに、また会えるよ。」 そう言って、あたしの髪を柔らかく撫でた颯は。 …ゆっくりと背中を向け、去って行ったのでした。