ちゃんと、嬉しかったよ。
こんな風に颯が感情を見せたのはここ最近は珍しかったし、こんな風に言われて嬉しくないはずがない。
……ただ、
それよりもずっと、戸惑いの方が大きかったんだ。
今までの関係を崩したかった颯と、今の関係を保ちたいあたしが交わるわけが、ない。
『…あぁ、もう!』
―…あたしは、机で寝ていた体を、勢いよく起こした。
突然の大きな唸りみたいな声に、びっくりしてあたしを目で捉えるクラスメート。
あたしはただ、颯を睨みつける。
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