「…みぃちゃん、聞いて。」



そう言って、抱きしめられる颯の腕が、より一層強くなる。


颯のワイシャツさえ暗くて見えない視界の中で、あたしは自分のスカートの裾をギュッと握った。





「俺、みぃちゃんがずっと前から大好きだったよ。」




…なんで、また。

なんでまた、“幼なじみ”を壊そうとするの…。



『嘘でしょ…。』



嘘だと言って、明るく笑ってよ。



“みぃちゃんを10日で落とします”


あのノリで言ってくれれば、嘘だって簡単に信じたのに。