―…むかついた。 アイツの、女の子たちと絡む声が。 いつも以上に、いちゃついてるように感じて。 いつも以上に、ベタベタしているような気がする。 ねぇ、あたしも一緒に進級させてくれるって言ったじゃん。 勉強、見てくれるんでしょ? 再テストは、今日なんだよ。 あたし、わからないこといっぱいあるから、教えてよ。 ―…女の子たちのとこになんかいないで、あたしのとこに来て。 『…っ、颯!』 叫んでいた。 場所とか、そんなの気にしないで。 アイツの目を見開いた驚いた顔が、あたしの方を向く。