「…そうだね、俺も一生懸命にならなくちゃ。」




……あぁ、なんか府に落ちないな。


これだけあたしが背中を押してやったのに、なぜかアイツの笑顔は作り物に見えて。


なんでこんなにも、痛々しく笑っているんだ。



『……。』




―…あたしはまだ、知らなかった。



アイツの闇に、勝手に限界をつけて。
踏み入るのを、拒否して。



アイツの心の光が薄れているのを、あたしはまだ知らない。



「…ねぇ、みぃちゃん。」




ゆっくり、ゆっくりと。

開かれたのは、いつものアイツの、チャラチャラした声色。



いつも以上に感情が読めない気がしたのは、一体なぜなんだろう。