『…っ、だって、そうじゃん!』



アイツの冷たい視線が、あたしの睫に突き刺さるように感じる。



『モテて、勉強もできて。』

「……。」

『色んな女の子が、颯のことが大好きで。』



だって、こんなの。
もしあたしが、アイツだったら。



自分のことが大好きになるに決まってる。




「…バカだなぁ、みぃちゃんは。」



フッ、と。


アイツが髪をかきむしりながら、苦々しく微笑んだ。



「女の子が本当に、俺のこと好きなわけないじゃん。」



…ねぇ、颯。


アンタ一体、何言ってるの…?