痛い。非常に痛い。 顎の辺りがヒリヒリする。 痛みですっかり目を覚ましたあたしは、顎をさすりながら、ゆっくりと机から起き上がった。 『……っ』 …起き上がったら。 一番最初に目があったのは、シャーペンを片手に、満面な笑顔の颯くん。 シャーペンをグーで握ったまま、いつもの笑顔を崩さない様子が、逆に怖い。 「みぃちゃん、聞いてた?」 『…あ、は。』 そうなのです。 今は再テストに向けて、アイツに英語を教えてもらっている真っ最中なのです。 …今のは、あたしが悪い。