アイツがあたしをしつこく追い掛けてきたのは、こういう訳だったんですね。 確かに執着心とかなさそうなアイツが、ここまで粘ってくるのは可笑しいと思ってたけど。 頼まれ事だったと考えれば、簡単に納得できる。 『あーもう、あたし、何かしたっけ。』 言いながら、髪を女の子であるまじきぐらいかきむしり、心当たりを頭の中から探り出していくあたし。 わからない。 わからないけど、とりあえずアイツへの変な気まずさはどこかへ飛んでいった。