―…彼は言いました。 俺に落とせない女の子はいないのだ、と。 『…んぎゃあ!』 ガツン、と。 色気の欠片もない言葉と共に出てきたのは、大きな椅子を引く音。 それは教室中に響き渡り、いつしかあたしの滑稽な姿は注目の的になる。 『くっそぉ、あいつ…っ!』 ―…松崎 三波、17歳。 只今、何者かに椅子を引かれ、床に尻餅をつきました。