公園に着くと、 いつものベンチに二人は腰掛けた。 なんだか、何年ぶりかのような 懐かしい感じがする。 風は冷たく頬を刺したが わしの高揚を適度に冷ますようで 心地いい。 公園のそこかしこに 小さいながらも蕾が芽吹いている。 春の到来が近いことを 草花の息吹が感じさせてくれた。 しばらく黙って座っていたが、 春江は急に立ち上がると、 澄んだ空気を胸いっぱいに吸って 振り返って言った。 ・