留美はしばらく考えていたが、 ハッと気がつくと、 「奥様は赤い口紅を 欲しがったんですよねぇ? ひょっとして…、 赤い口紅を欲しがったのは…」 と言いかけて振り向いたが、 賢三はまだ頭を抱えたままでいる。 もう一度、赤い糸の部分を 間近で見ると 留美の推測が確信に変わった。 ・