「んん?……」 賢三が身を乗り出しようにして、 絵を見直す。 「…まさか… いや、そんなはず…は… 春江が…? いや、それはありえん。 あの時この病室には具材だって なかった… はず……じゃ…」 賢三は信じられないというように 頭を抱えた。 留美は意に反した賢三の反応を 不可思議に思いながら、 腕組みをすると話を整理し始めた。 (賢三が描いてないとしたら…) (一体、誰が?…) (最後に病室にいたのは…) ・