「でも、村上さんは
 ロマンチックなんですね。


 赤い糸で結ばれた二人なんて…」





留美は賢三を元気づけようと、
気を取り直して矛先を変えたが、





「赤い糸?…何のことじゃ?

 わしは、
 赤い糸など描いてはおらんぞ」





賢三は怪訝な表情で否定した。





「うそ…もう、照れちゃって…

 だって、ここにほら、
 はっきりと描いてあるわ!」





そう言うと、
留美は絵の赤い糸を指差した。