一時はどうなることかと
プレゼントどころではなかったが
春江が目を覚ましたという連絡を
入れると、
息子夫婦は大層なプレゼントとは
いかなくても朝一番からあちこち
に足を運んでは何やら買い込んで来ていた。
6歳になる孫が、
【誕生日】というキーワードに
反応してなのか自分の興味なのか
病室の外に飛び出して行くと、
「おばあちゃん、おめでとう!」
と、リボンが付いた花束を抱えて
病室に戻ってきた。
「わぁ、すごい!
健ちゃん、ありがとう!」
春江は
孫の健太郎の頭を撫でながら、
「こんな大きいのよく持てたねぇ
健ちゃん、これおばあちゃんに
くれるの?
おばあちゃん、嬉しいわぁ」
と大袈裟に声を上げて喜んだ。
孫の健太郎は、
「はいっ!」
と得意満面に花束を渡すと
春江の横にちょこんと腰かけた。
二人の笑顔を見ていると
目を覚ましてくれてよかったと
心からそう思えてならなかった。
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