(俺は………クソっ) 恭一は、留美の部屋を出ると、 また新宿に戻って、 心あたりの場所へ歩き出した。 何かしなければ…と とてもじっとしていられる 心境ではなかった。 コマ前の映画館、 馴染みのバー 南口の居酒屋 ウッドベリー 少しでも思い出のある場所は、 すべてまわった。 だが、留美の姿はどこにもない。 気がつくと、 またあの公園に戻って来ていた。 ・