「それでね、 高橋君は会社を辞めたの」 「佳奈は二人目を妊娠してるわ」 「黒田君は家の鮨屋を継いだよ」 食事を済ますと、 奈々子は高校の頃と違って、 同級生の近況をとめどなく話した。 恭一は陽気に話す奈々子を見て、 (変わるもんだな…) と思いつつ 先ほどのしぐさが どうしても気になっていた。 社交的にはなれても 癖はそうそう直るものではないし はなから直す必要のない癖だ。 菜々子の異様な陽気さが 余計に恭一の心配を煽った。 ・