「羅夢の事教えて?」 「えっ?どんなことを話せばいいの?」 「俺の知らないこと全部。」 全部? 全部って何処まで? 家族の事も話すのかな? あたしの全部ってどこまでなの? 黙りこくったあたしに慶介は言った。 「好きな食べ物とか嫌いな食べ物とか好きな色、好きな動物、好きな歌、アーティスト。何でもいい。話したくないこと以外なら何でも。小さなことでも良いから知りたい。」 まるで心を見透かされているようで、恥ずかしいような安心感のようなものを感じた。