私は俯いたままでやり過ごそうとする。
でも手のひらが私の顔を無理矢理上を向かしたのだった。
「逃げないで。言いたいことがあるなら言ってよ。」
彼の目は先ほどの悪戯な目ではなく真剣そのものだった。
でもいきなり言いたいことを言えと言われても困るもの。何も答えられずにいる私。
「分かった。話すことも嫌なんだね。ごめんねお節介焼いて。もう何もしないから。でも俺は羅夢ちゃんと話したかったな...」
そんな顔されちゃ私が悪いみたいじゃないッ......
「そんなんじゃなくてッ....ただ嬉しかったのッ!でも私、何を話したらいいか分かんないし。だから虚しくなったの......。」


