白くて大きな鳥のような聖獣が

フランの呼び掛けに応えて

天からやってきた。


「……あなたが。

やっと会えたわね。

私の名前はフラン。

シェリの動きをとめてほしいの。

……決してシェリを

傷つけてはダメ。

お願いできるかしら?」


フランは聖獣の頭を撫でて言う。


聖獣はフランに応えるように

吠え、シェリの魔力をすべて

吸いとり、魔方陣を消した。


「ありがとう。

もう戻っていいわ」


フランは聖獣を抱きしめ、

聖獣を戻した。


「い、今のが?」


シェリを抱きしめたまま

腰を抜かしたヴァネッサが言う。


「聖獣。魔法使いの証よ」


フランはVサインをして言う。

「ちゃんと呼べましたね」


ハーヴァルドはフランの肩に

ぽんと手を置いて言う。


「あなたが支えてくれたから」

フランは自分の肩に置かれた

ハーヴァルドの手を握った。