「……それってあの妖精に昔の

恋人を重ねてるってこと?」


ヴァネッサは少しワクワクして

問いかけた。


もしそうならばと考えただけで

第2章の曲が浮かんで

きそうだった。


「疑惑よ。断定はできない」


「注目する必要があるわね」


ヴァネッサは別の意味で言った。



森へさしかかったところで

シェリから送られてきた魔獣が

姿を現した。


「うわぁっ!」


ジオは悲鳴をあげる。


『ジオ!アフロディア様から

もらった剣で戦わなきゃ!』


キミは逃げ腰のジオを

勇気づけた。


(そうだよな。女神のくれた

剣ならきっと無敵だ)


ジオは剣をぬいた。見た目は

普通の剣と何らかわりない。


彼が勇気を取り戻さない限り

本当の力を発揮しない。


ハーヴァルドは冷静に

弓を構えて矢を放つ。


ハーヴァルドの弓もまた

本人が心の変化に気付き、

自覚して取り戻すまでは

本当の力は発揮されない。


本人の心に反映して徐々に

弓矢の威力は増していくが

それまでは普通の弓矢である。