その頃、バイオリニストは

チュチュシティにて憂鬱な朝を

迎えていた。



……旅を始めて1ヶ月。

ゆっくり寝て起きても

やっぱり状況は変わらないわね。



この世界で一人生き残った事を

彼女は神に選ばれたと思い、

前向きに旅をしてきたが

せっかちな彼女は

もう限界にきていた。



……あたしは神に選ばれたから

生きてる。

でも、神が選んだというなら

どうして神は現れないの?

使いの天使ですら降りてこない。



疲れのせいか考えが

ネガティブになってくる。


ヴァネッサは民家の中でも

一番家柄の良いところを

拠点とし、色々な食料を

調達しては食べたが、3日は

同じ家に寝泊まりし、

引きこもってしまっていた。