とある霊能力者の仕事

どこか遠い目をしながら語る母は、過去にも同じようなモノを見たことがあるのでしょう。

そして…結局、何もできなかったんでしょうね。

「でもあのままで良いのかな?」

「良いも何も…。とりあえず、今現在の持ち主は満足しているなら良いんだろう? そのコは覚悟があるようだし、自分の最期も分かりきって、取り付かせているんだ。アタシ達がどうこうしようなんて、はた迷惑な話と思っているだろうよ」

確かにそれは彼女自身から言われたことです。



そう―彼女はとっくに自分の最期を知っているんです。


自分の願いが、あのモノを通して叶えられ続けたとしてもその最期は……



あのモノに、身も心も魂すらも、喰い尽くされる最期を―。